第43回 在宅医療について~がんでも使える介護保険と訪問診療医の探し方

40歳以上の方は、医療保険料に加えて介護保険料も徴収されています。しかし、一般的には65歳を過ぎないと介護保険が利用できないので、40~64歳でも介護保険を申請できると知らない方も多いのではないでしょうか。また、なんらかの病気で治療中の患者さんでも、介護保険の利用方法や在宅医療の導入方法を詳しく知っている方は少ないのではないでしょうか。

私は、この秋2度の入院を経て、いまだに呼吸の状態が安定せず今後の生活に不安があります。主治医やかかりつけ病院の医療福祉室に、自宅にリクライニング・ベッドを導入したり、場合によっては在宅酸素を取り入れたりする必要があるのではないかと考えていると伝えたところ、介護認定の取得と在宅医療(居宅診療)の導入を検討するよう勧められました。

体調が悪くなり、動くことも大儀、新しいことを考えるのも億劫、という状況では、役所への申請や訪問診療の医師探しは容易ではありません。介護保険も在宅医療も今すぐには必要なさそうでしたが、頭も体もしっかり動くうちに着手したいと考えて、準備を始めることにしました。

介護申請は、居住地の役所に申請書をもらい(郵送での取り寄せが可能)、書類の提出後は、担当者の面談による聞き取り調査と主治医の意見書で判定されます。高齢者の要介護認定の場合は7段階(要支援1~2、要介護1~5)に分けて認可が行われますが、65歳未満の私のような年齢での介護申請は、病気によって、すなわち特定疾病に当てはまっているかどうかで認定されるようです。認定を受けるまでには申請からひと月以上がかかり、利用したいと思ったときに即利用できるわけではない点にも注意が必要です。

在宅医療は契約制です。在宅医療の契約を結ぶ医療機関の探し方については、医療福祉室からアドバイスをもらいました。居住地の福祉センターに電話して、自身の病状や在宅医療で行ってほしい医療の内容を説明し、候補先を紹介してもらいます。高齢者介護で必要とされる医療サービスとは違った対応が求められるので、がん患者の訪問診療の経験が豊富な医療機関を紹介されました。

次に、紹介された医療機関に、在宅医療の契約ができるか問い合わせます。私が住むエリアは在宅医療の環境が整っていることで知られています。しかし、昨今は在宅医療を希望する患者さんが増えていることもあり、必ずしも契約できるわけではないようです。現在の私は歩行や食事などの日常生活に支障がなく、介護や差し迫った医療対応は必要としていない点が考慮されて、在宅医療の契約ができることになりました。

標準的なパッケージは、月に2回、医師が患者の自宅を訪問して体調管理を行い、必要に応じて大学病院の主治医と連絡を取り合う、という内容になります。費用は医療機関によって差があるかもしれませんが、医療保険3割負担の患者で月2万円程度とのことです。口座引き落としか銀行振り込みで支払います。

在宅医療は契約制なので、相性が合わない場合には契約を打ち切り、別の医療機関と契約を結ぶことができます。そういう意味では、通常の医療機関探しに比べると気が楽かもしれません。ただし、在宅医療への取り組みは地域によって差があり、すぐに次の医療機関が見つからない場合もあるようです。

介護認定の取得も、在宅医療サービス契約も、自分にはまだ縁がないと考えていました。ですが、なにごとも人に頼らず自分で動けるうちに手を打つ方が納得いきますし安心です。若年層で療養中の方のみならず、高齢で自分の生活に不安を感じ始めた方も、早めの準備をお勧めします。

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