第29回 転移がんへの放射線治療【2】リンパ節転移に対する効果、副作用

第28回に引き続き、私が現在行っている転移がんへの放射線治療に関するレポートです。

私は2グレイ(*1)を25日間、合計50グレイを照射する治療計画に従っています。実際に放射線を照射する時間はほんの数秒ですが、間隔をできるだけ空けずに治療を行うことが推奨されるので(2週間で8回以上が目標と説明されました)、平日は毎日通院しています。中には、入院して放射線治療室に通う方もいらっしゃいます。

私の友人で、初期の乳がんと診断されて、腫瘍切除手術の後に放射線治療を受けた女性がいます。彼女に放射線治療の体験を聞いたところ、「ほとんど副作用はありませんと言われていたが、回数を重ねるうちに身体にだるさを覚え、帰宅後は動けない日もあった」とのことでした。この文章を書いている現在、私は25回の照射の18回までを終了しています。だるさはないのですが、照射エリアに含まれる喉の一部が痛んで声がかすれることと、日中の体温が普段より高く37℃程度あることが私の体感でしょうか。

治療の検討を始めたときに、放射線治療の主治医が「治療を開始するには良い季節です」とおっしゃいました。おもわず、「季節によって放射線治療の効果に差があるのですか?」と聞き返したところ、「いえ、毎日通院するには暑すぎず寒すぎず雨も多くない、そんな良い季節、という意味です」との答えでした。確かに、毎朝通勤ラッシュの電車にゆられて通院している身として、治療の内容だけでなく、通う「気」が上がる時季に治療をすることが大切だな、と実感しています。

朝一番、8時40分の照射枠を予約して受診しています。この時間帯だと、スーツを着用した男女が待合室にいることも多いです。数秒の照射と着替え、会計をさっと済ませて9時頃に病院を出られるので、朝からオフィスに向かうがん就労の患者さんにも受け入れやすい治療だと感じます。今は多くの病院が後払い制度を取り入れているので、特に急ぐ患者さんは長い会計の順番を待つ必要もありません。がん就労を後押しする制度が増えていると思います。

あと数回、放射線照射を受けますが、すでに変化もあります。右鎖骨の上にあったビー玉のような腫瘍が少し小さくなりました。これが何の効果なのか断言はできません。2017年4月中旬に免疫療法を2種行っていますし(第27回)、ホルモン療法も5カ月ほど続けています(*2)。

しかし、私自身は、どの治療法が効いたのであれ、体感が良くなったことで幸せなのです。今回の一連の治療を取り入れた直接の原因は、右鎖骨上窩リンパ節への転移が原因と思われる肩の張りや右手のしびれが辛かったことと、腫瘍の大きさが気になって心が晴れないということでした。今回の治療のねらいに照らし合わせると、充分な効果が得られていると思います。

5月上旬に訪れた旅先のお稲荷さんに、こんな絵馬がありました。
「病気がよくなりますように、そして自分に自信が持てますように」
病気を治すということは、目的ではなく自己実現に向かうひとつの手段なのだ、と感じ入りました。この絵馬を奉納した方が、病気に立ち向かい、自信を持って生きていけますようにとお祈りしました。そして私にも同様のご利益がありますように。

*1グレイ(Gy)とは、放射線が物質に与えるエネルギーの量を指す単位です。日本科学未来館のウェブサイトに分かりやすい説明が載っています。
https://www.miraikan.jst.go.jp/sp/case311/home/docs/radioactivity/1104181598/index.html

*2放射線治療と免疫療法とを組み合わせた「免疫放射線療法」については、こちらのページで詳しく紹介されています。
http://www.gan-info.jp/dendritic/newspickup/article07/

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