第18回 エンディングノートをご存知ですか

「エンディングノート」をご存知ですか?もしものときに役に立つ情報を書き綴るノートのことです。

文具メーカーから商品として販売されていますので、こうした既製品を活用すると手軽です。網羅されている内容を真似て、自分で大学ノートなどに記入して作成することもできます。
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/life-event/ending/

私がエンディングノートの存在を知ったのは、がんにかかる前の2001年、ファイナンシャルプランナー資格を取得したときです。実際に市販品を購入して記入を始めたのは2005年で、がんに罹患したことがきっかけです。最近は「終活」がメディアで取り上げられる機会も増え、エンディングノートの認知度が上がってきたように感じます。ファイナンシャルプランナーズ協会の実例集をみると、エンディングノートを準備していないことで本人や家族が困った事例にこんなものがあります。

災害にあったとき:
預金通帳をなくしたが、金融機関の口座番号を控えているメモがなく、預金の引き出しに苦労した。

家庭を取り仕切っている母が入院:
自宅内のすべてを管理しているお母さんが急に入院してしまった。しかし、お母さんが定期的に取り寄せている食品が色々なところから送られてくる。送り主の連絡先や取り寄せの頻度が分からず、入院しているお母さんに確認しなくてはならなかった。

父の逝去:
お父さんが亡くなって半年ほどした頃、学生時代に入部していた体育会のOB会費が振り込まれないという連絡があった。銀行口座からの自動引き落としができないとのこと。団体は本人の逝去の事実を知らず、家族はOB会の存在を初めて知った。

いざという時に知りたい情報が得られず、情報をひとところに保管していないことで本人が苦労する事例や、本人不在により状況が分からず家族が翻弄される事例が挙げられています。こうした状況で役立つのがエンディングノートです。

エンディングノートには、どのような内容を記録するのでしょう。一般的な例を挙げます。

  • 基本情報:氏名、住所、本籍やパスポート番号など
  • 資産情報:銀行口座情報や借金のこと
  • 交友関係:家族や親族の連絡先、友人や知人の連絡先と関係性
  • 健康に関すること:かかりつけの医療機関、服用している薬剤の情報
  • 気になること:WEBサイトのID、本人にとっての宝物の情報、葬儀やお墓の希望、相続や遺言(※)の簡易メモ

※遺言は死後の検認が必要なので、エンディングノートに記載するのではなく、預けた公証人役場の情報などを記載することが一般的です。

分散している情報を一か所に転記するだけで、はじめはかなりの時間を要します。しかし「自分が亡くなったときに誰に知らせて、何をしてもらわなくてはいけないか」を念頭において作業をするので、達成感が得られます。

保有している金融機関の口座情報を転記してみて初めて気が付いたのですが、大した額を預けているわけでもないのに口座が複数存在しており、これを機に解約・集約を行いました。このように、自分の日常を振り返って整理する「断捨離」の手段としても、エンディングノートは活用できます。

私はがんとの付き合いが12年目ですので、初めてがんを経験したときから考えると、様々な情報が入れ替わっています。ですので、病状や環境の変化に応じてエンディングノートの情報を書き換えています。情報の更新は、これからの自分が何を優先させて生活しなくてはいけないかを考えるきっかけにもなっています。

何度も情報更新をしている私でも、空白の項目はあります。お墓、葬儀、遺言・遺贈などです。自分の意識がしっかりしている限りは書き込まなくてもよいかな、と悩みながら、まだ書き込むまでに至っていません。そんな項目が「空白」で放置されることになっても、それはそれで構わないと思います。いざという時に自分や家族が困ることがないように、今からエンディングノートを書き始めてみてはいかがでしょうか。

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