第12回 免疫療法後の体の変化、私の体感

前号で、樹状細胞ワクチン療法を受けているクリニックを初めて受診してからワクチンを7回投与するまでの治療の流れをご紹介しました。今回は、投与8回目以降の体の反応や、血液検査の結果、体調の変化などをご紹介します。あくまで筆者の体験であり、樹状細胞ワクチンに対する反応には個人差がありますので、あらかじめご了承ください。

2014年9月10日に実施したアフェレーシス(成分採血)の結果、ワクチンは12本作製できました。前号で紹介したとおり、治療を開始した当初は5~7回のワクチンを2、3週間ごとに投与します。以降のワクチン投与時期は医師と相談のうえで決めます。私が7回目の投与を行ったのは2015年2月23日で、8回目は1年1ヶ月後の2016年3月22日に実施しました。この間に他の免疫療法も体験してみたいと思い、ナチュラルキラー(NK)細胞療法を数回受けています。

8回目以降は、凍結保存してあった樹状細胞ワクチンにポストパルスという手法で人工抗原を追加して投与を行いました。1回目から7回目を通じて、私は樹状細胞ワクチン療法への体の反応が強く出るタイプで、ワクチン投与後には発熱したり、注射した部分が赤く腫れたりと、体調の変化が自身にも感じられました。8回目の投与後も発熱はありましたが、投与の2日後に37.2~37.5度の微熱が出た程度で、3日後には平熱に戻りました。

これまでの投与と大きく異なったのが頭痛です。私は2014年12月に転移性脳腫瘍の切除およびガンマナイフによる治療を行っており、それ以来、疲れると頭痛が起こります。8回目のワクチンを投与した日も、夜から鈍痛がはじまりましたが、免疫力の邪魔をしそうな気がしたので鎮痛剤を我慢して就寝しました。

投与の翌日、普段どおり在宅でデスクワークを行っていたところ、夕方から頭痛はひどくなり、痛みに耐えられず鎮痛剤を服用しました。パソコンやスマートフォンを長時間利用したことで、目が疲れ頭痛が拡がったようでした。その後1ヶ月は電子機器を長時間にわたって利用すると必ず頭痛が生じたので、電子機器を使った作業は30分で切り上げて別の作業を30分実施、という工夫をして頭痛の予防に努めました。

血液検査の結果にも変化が現れました。2014年以前は、3週間ごとに測定している白血球数が2,500/ulを超えることはほとんどありませんでした。2014年10月に樹状細胞ワクチンの投与を開始してからは、白血球数が2,500/ul以上になりました。2015年3月から抗がん剤(アバスチン、タキソール)による治療を開始しましたが、標準的なサイクルで抗がん剤を投与するには白血球が足りませんでした。よって、私の場合は抗がん剤の1回あたりの投与量を減らし、投与頻度も少なくしていました。ところが、8回目のワクチン投与の後には白血球数が毎回3,000/ulを記録したので、2015年のゴールデンウィーク明けからは標準的な治療サイクルで抗がん剤を投与することができました。

そして体感ですが、私は少々体調が優れなくても外出や仕事をこなしてしまうので、自身の体調に鈍感なところがあります。しかし、会社のメンバーに「最近、顔色がいいね」と声をかけられますし、家族に心配そうな眼差しで見られることが減ったので、自分の体調はわりと良い状態で安定しているのだろうと感じています。

もっとも大切なのは治療による体の変化を患者がどう体感し受け止めているかであると、主治医を含めたすべての医療従事者に言われます。がん患者も12年目になると、毎回の検査データに一喜一憂するよりも、体調が良いのはこの治療や食事、運動を取り入れているからだ(あるいは、止めたからだ)と自分で納得し、満足感を得ることが大切だと感じます。科学的なデータうんぬんよりも、「これをやっていると自分の体調が良い」と感じることを素直に取りいれたいと思っています。

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