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第10回 がんと治療費のお話【2】 医療保険のほかにも手立てはあります~生命保険、医療ローン、公的な貸付・助成~

公的医療保険が使えない保険外診療のがん治療は費用がかさむことが多く、治療費を工面する必要があります。私がこれまでに調べた治療費の用意のしかたをご紹介します。なお、民間の医療保険や先進医療特約に加入していない方に向けた内容です。すでに医療保険に加入されている方はその保障をご活用ください。

  • 1. 生命保険の活用
  • 2. 医療ローン
  • 3. 生活福祉資金貸付制度
  • 4. 自治体の助成金

1. 生命保険の活用

すでに加入している生命保険に「リビングニーズ特約」はついていますか?

保険本体に無料でつけられる特約であり、医師から6ヶ月の余命宣告を受けた場合に死亡保険金の一部を生前に受け取れるものです。これはすべてのケガ、病気が対象となります。必要な金額だけ請求でき、かつ受け取りの保険金は非課税となります。ただし、受け取れる上限は3,000万円または加入している保険金の限度額となります。

15年以上前に契約した、あるいは保険加入時に説明を受けず特約をつけていない、という方でも、ほとんどの保険会社で今から申し出てつけられます。

このリビングニーズ支払いを申請できるのは契約者本人か指定代理請求人(主に3親等内の親族)です。患者さん本人に余命が告知されていないのに指定代理請求人がリビングニーズ支払いを請求してしまうと、患者さん本人にも余命に関する情報が伝わりますので、注意が必要です。

同様に、保険には「契約者貸付」制度があります。

一般的に、終身保険(貯蓄タイプの保険)だと解約時に戻ってくる予定の金額の80%ぐらいまで貸付を受けられます。貸付なので返すことになるのですが、少しずつ返すこともできますし、最終的に解約する際に貸付金を差し引きして精算する方法もあります。ただし、この制度では利息の支払いが発生します。例えば、予定利率1.5%の保険の契約者貸付をする場合の利息は、1.75%~2%(予定利率に0.25%~0.5%を上乗せした利息)になります。

契約者貸付の場合は審査がなく、手続きをすればすぐに借りられます。また、患者さん本人が保険商品を持っていない場合でも、終身保険に加入しているご家族がいればその方に契約者貸付をしてもらい、借りたお金をそのご家族に返すということもできます。契約者貸付の場合、残った積み立て金はそのまま運用され、貸付金返金をすれば運用される金額がまた元にもどります。

2. 医療ローン

金融機関に借金をする、つまりローンを組むことでお金を調達できます。ただし、借金には審査がつきものです。審査基準は、①収入はどのくらいか ②返済能力はあるか ③他社からの借入状況 ④過去に金融事故(焦げつき)を起こしていないか(いわゆるブラックリスト)などです。日本の金融機関の多くは現在の収入をベースに貸付の可否を決めるので、土地や車などの資産を持つ方でも収入がなければ借り入れは容易ではありません。そのため銀行ローンは時間と労力がかかります。

http://kakaku.com/card-loan/

いわゆるカードローンはやや審査がゆるいため、借り入れできる可能性は高いですが、利息の利率も高めの設定になっています。美容外科クリニックなどでは、治療費が高額となることを見越してクレジットカード(ローン)会社と提携しており、患者に紹介してくれます。ただし、ローン審査はローン会社と患者の個人契約ですので、審査がおりない可能性もあります。

3. 生活福祉資金貸付制度

http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatsu-fukushi-shikin1/index.html

病気の療養に必要な経費(福祉費)や生活再建に必要な生活費用(生活支援費)などの貸し出しを、都道府県の社会福祉協議会が行っています。金利は1.5%~3.0%、さらに連帯保証人が付くと無利子になります。

福祉費の貸付上限は580万円です。審査に通れば利用用途を細かく制限されませんので、自由診療にも活用できます。一般的には審査を通過するのは厳しいようで、貸付対象は低所得者、高齢者、または障害者のいる世帯です。

低所得者 収入が少なく、他から借りることができない人
高齢者 65歳以上の療養や介護を必要とする人
障害者 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を持っている人

「低所得者」の収入基準は自治体によって異なります。要件の例として、住民税非課税世帯、家族3人で年収が480万円以下、生活保護基準の2倍以下、などが挙げられます。

4. 自治体の助成金

肝炎や不妊の治療に助成金を出す都道府県は多いのですが、残念ながらがん治療の助成金を交付する都道府県はわずかです。佐賀県は数少ないひとつです。

http://www.pref.saga.lg.jp/kiji00334088/index.html

また、福岡県と神奈川県では、重粒子線治療の治療費を助成しています。

http://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/gan-rishihokyu.html

http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f533864/

市区町村で助成を行っているケースもありますので、お住まいの自治体に問い合わせてみてください。

以上、4つのパターンをご説明しましたが、やはり備えあれば憂いなし。医療保険(先進特約保険を含む)または各種終身保険(生命保険や養老保険)への加入をご検討いただくことをお勧めします。

今回の記事の執筆にあたっては、保険会社のファイナンシャルプランナーおよび大学病院のがん患者相談室のソーシャルワーカーの方にご協力いただきました。

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