第5回 携行品リスト がん患者・災害対策

東日本大震災から5年目の2016年、日本は再び大きな震災に見舞われました。地震の断層が縦横に存在するプレートの上にのっている日本ですので、国内どこでも大きな地震および付随する災害に見舞われるか可能性は高いですね。いざ被災したとしても、普段からの備えがあると精神的に余裕をもって行動できると思います。

今日は災害対策も兼ねて、がん患者の私が外出時に携行している「七つ道具」をご紹介します。20代から公私共に旅の機会が多く、断捨離好きも高じてミニマムなアイテムで外出する癖をつけている私が持ち歩くアイテムです。普段の災害準備品は持ち出しやすいように玄関脇のクロークに入れておけば良いですが、戸外に出る際「なくて困った」にならないよう、通勤、通院、旅行、災害時も想定して選んでいる物品です。

写真が私の必帯アイテム;左上から 解熱鎮痛薬(ロキソニン)と綿棒、250mlペットボトル入りの飲料水、マスク、サングラス、ひまし油、目薬、ハンドクリーム、ミニLED懐中電灯、ミニはさみ、ばんそうこう、ウエットティッシュ、ティッシュです。

がん患者の視点から解説をします。抗がん剤の副作用か脳手術(2014年12月)の後遺症か、私は頭痛が頻発するので鎮痛薬が必須で、ロキソニンと服薬用の水を持っています。同様に副作用対処として、手足、粘膜の乾燥対策のために目薬、ハンドクリーム、マスク、ひまし油と塗布用綿棒を持っています。(ひまし油の効能は後述します。)ミニはさみも、手が乾燥又はこわばって錠剤などのパッケージを開封できないときに使用します。また、私は脳の転移巣の治療後にまぶしさに過敏になってしまい、明るすぎる自然光下で外出するためにサングラスを持ち歩いています。一方、疲労時や薄暗い屋内での細かい作業にはLED懐中電灯が活躍します。ばんそうこうは靴擦れ対策もありますが、治療薬の影響で血が止まりにくいことがあるため、出血時に除菌ウエットティッシュで患部を拭いたあとばんそうこうで簡易的に止血しています。

一般の防災の視点で捉えると、被災時に粉塵をよけるためのマスク、擦り傷等の小さな怪我に対応するための除菌ウエットティッシュとばんそうこう、大怪我の際は衣服を裂いて止血や患部固定に使えるミニはさみ、日没後の移動や停電時の周辺確認に便利な懐中電灯、移動時の保水のための飲料水は、持っていると安心です。

ところで前述の「ひまし油」は聞いたこともないという方が多いのではないでしょうか。私はガラス瓶入りで販売されている無臭のものを青い遮光ボトルに10mlずつ小分けして持ち歩いています。その効用をご紹介します。

「ひまし油」についてはこちら

西洋医学では『便秘症、食中毒における腸管内容物の排除、消化管検査時または手術前後における腸管内容物の排除』が適用として説明されています。東洋医学または伝承医学の分野では、乾燥対策、シワしみ取り、爪・まつげの強化、湿布による毒素排泄、飲用による腸内環境改善と免疫力回復など、実に様々な効能が昔から知られています。

一番よく活用するのは「乾燥対策」です。唇には皮脂線がないので、誰でも乾燥します。粘度の高いひまし油を飲食後に塗布しておくと乾燥予防になり、かつリップグロスのような質感を保つので化粧映えもします。ただし、元来便秘薬ですので、お腹が下らないか確認のうえ利用されることを勧めます。また、ドライアイの緩和に役立ちます。日中点眼すると支障がありますが、就寝時にまつげの生え際に綿棒で塗布または瞳に点眼すると、油の粘性で視野がゆがみますが、翌朝大量の目やにを放出し、潤って疲労回復した眼になります。さらに、鼻奥の乾燥予防のために、綿棒で塗布します。これは、アバスチンの副作用で鼻血に悩む私の日課であり、就寝時のほか、飛行機や新幹線などで長時間移動するときにも実施しています。がん患者しかメリットは感じないと思いますが、点滴などの穿刺後もひまし油を塗布すると、青あざが消えるのが早く、穿刺部の皮膚の再生が早くなります。

一般的に化粧用として販売されているオイルは人間の皮膚に浸透し易い分子サイズになっていますが、ひまし油は簡単には皮膚に浸透しません。しかし、化学療法をしている私の場合は、乾燥のせいか、あっという間に浸透してしまいます。現代人の皆さんも想像以上に皮脂が不足している部位が多いので、乾燥を実感する部位から試してみるといいと思います。

「いざというとき必要なものを持ち歩く」、これはがん患者もそうでない方も大切なことです。大きな災害もありました。今一度、ご自身に必要な携行品を確認してみませんか。

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