樹状細胞ワクチン療法の技術開発

テラは、樹状細胞ワクチン療法で使用する新規人工抗原や、新しい樹状細胞の培養方法など、日々研究開発に取り組んでいます。

さらなる臨床効果を目指す新規人工抗原

がん抗原は近年世界中で研究開発が行われています。WT1のほか、様々ながん抗原を患者さんに提供できるよう北海道大学を始めとした大学病院などで研究開発された人工抗原をテラの樹状細胞ワクチン療法に利用できるよう、日々研究開発に取り組んでいます。

中でも、テラが特許権を保有している「サーバイビンペプチド」や専用実施権を保有している「MAGE-A4ペプチド」は、キラーT細胞(細胞傷害性T細胞)のみを活性化するこれまでのがん抗原ペプチド(MHCクラスI拘束性ペプチド)とは異なり、ヘルパーT細胞を効率よく活性化することで、がん特異的キラーT細胞を増強することができます。また、現在開発中のMHCクラスI+MHCクラスII拘束性のハイブリッドロングペプチドも本特許を使用したものであり、がんに対する免疫をこれまで以上に活性化することができる次世代のがん抗原ペプチドとして期待されています。

人工抗原名 特許成立国 概要
サーバイビンペプチド 日本
オーストラリア
シンガポール
がん細胞のアポトーシスを抑制する機能を持つタンパク質です。幅広いがんに対して、特異的に高発現していることから、有用ながん抗原として期待されています。
MAGE-A4ペプチド 日本
米国
欧州
MAGEは、メラノーマ(悪性黒色腫)より発見された、巨大なファミリーを形成しているがん抗原です。正確な機能は明らかにされていませんが、個体の発生において機能していると考えられています。MAGEファミリーの中でも、がん抗原特異的免疫反応を誘導できるMAGE-A4ペプチドが北海道大学で発明されました。

なお、サーバイビンペプチド及びMAGE-A4ペプチドは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究(「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発/橋渡し促進技術開発」平成20年度採択プロジェクト)により、第I相探索的自主臨床研究が北海道大学等において実施されました。

※生体には不要な細胞や有害な細胞に細胞死を誘導し、これを排除する仕組みが存在し、この細胞死をアポトーシスといいます。

腹水由来がん細胞を抗原に用いた樹状細胞ワクチン療法

テラは、九州大学と医療法人社団愛語会 要町病院との共同研究において、改良型腹水濾過濃縮再静注法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy、以下「KM-CART」)施術後の腹水由来がん細胞を高純度で回収することに成功しました。この腹水由来がん細胞を抗原として用いた樹状細胞ワクチン療法の実用化を目指しています。

これまで腹水は破棄されていましたが、KM-CART施術後の濾過膜洗浄液から、白血球などの細胞を除き、がん細胞を90%以上の高純度で回収する技術を九州大学と共同で開発いたしました。回収したがん細胞を樹状細胞ワクチン療法のがん抗原として利用することで治療効果がさらに高まることが期待されています。

自己免疫疾患及びアレルギー疾患に対する新たな免疫療法の開発

テラは、「免疫制御性樹状細胞の調製法およびその用途(特許第4547174号)」に関する独占的実施権を取得しました。これにより、がん領域における樹状細胞ワクチン療法に加えて、自己免疫疾患及びアレルギー疾患に対する新たな免疫療法の開発を推進してまいります。

樹状細胞は、体内の免疫細胞に対して異物の特徴を伝えることのできる、免疫の司令塔の役割をもつ細胞です。一方で、免疫の過剰な活性化を抑える樹状細胞も存在し、免疫寛容性樹状細胞と呼ばれています。この働きを利用することで、自己の細胞や無害な異物(花粉や食物等)を攻撃してしまうことで発症する自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病等)やアレルギー疾患(喘息、花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎等)への臨床応用が期待されています。

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