樹状細胞ワクチン療法とは

樹状細胞ワクチン療法は、樹状細胞の働きを活かしたがん治療法です。

樹状細胞ががんを攻撃するメカニズムの動画はこちら

*1:樹状細胞(写真提供:東京慈恵会医科大学)

免疫応答の司令塔と呼ばれる樹状細胞*1は、木の枝のような突起を持つ細胞で、生体内の多くの組織で確認されています。

Steinmanが1973年(1)に報告して以来、多くの研究が行われ、免疫機構の中で非常に重要な役割を持つことが明らかになったことから、Steinmanらは2011年、ノーベル生理学・医学賞を受賞しました。近年、この樹状細胞を用いた「樹状細胞ワクチン療法」が、臨床で研究・実用化されています。

樹状細胞ワクチン療法は、樹状細胞の働きを活かしたがん治療法です。患者の白血球を培養することにより樹状細胞を誘導し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの特徴を持つタンパク質断片、すなわちペプチド(がん抗原)を樹状細胞に記憶させ、その樹状細胞を患者の体内に戻します。その結果、樹状細胞がリンパ球にがんの特徴を覚え込ませ、リンパ球はがん細胞を狙って攻撃するようになります。

(1)Steinman RM, et al.: J Exp Med 1973; 137: 1142-62.

先進医療としての樹状細胞ワクチン療法

現在、一部のがん免疫療法は先進医療として実施されています。樹状細胞ワクチン療法も「樹状細胞及び腫瘍抗原ペプチドを用いたがんワクチン療法」の名称で、信州大学医学部附属病院や福島県立医科大学附属病院で受けることが可能です(平成27年10月現在)。

樹状細胞ワクチン療法で使用する樹状細胞ワクチンは、一般的に患者の末梢血から成分採血(アフェレーシス)で白血球の一種である単球を採取し、これを樹状細胞に分化させた後、成熟させ、がん抗原等をパルスする、ことによって作製されます(図1)。作製された樹状細胞ワクチンは凍結保存され、必要時に解凍されて患者に投与されます。

図1. 樹状細胞ワクチンの作製と投与

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