創業ストーリー

8. 事業拡大の壁

創業から1年を経て、ようやく思い描いてきた事業の第一歩を踏み出すことができましたが、技術導入後の展開は順調とは言い難いものでした。
私たちは最先端の技術を提供しているという自負はあっても、世の中の認知はゼロに等しい状況でした。また、この技術の有用性を理解してくれていた医師にとっても、新しすぎる治療を患者に紹介することは容易ではありませんでした。
「もっと、この治療について知ってもらわなければならない」。私と大田は手分けして、全国の医師を訪問し、また、セミナーの開催やがん雑誌への記事掲載を通じて患者への認知活動に注力しました。
その甲斐あって、少しずつ問い合わせや紹介による来院者が増え始めたのですが、ここでさらに、事業の拡大を困難にする状況に直面することとなりました。

樹状細胞ワクチン療法を提供するためには、まず、樹状細胞にがん抗原を認識させる必要があります。医科研で行われていた臨床研究では、このがん抗原を患者のがん組織から得ていました。しかし、医療機関に来院される患者のほとんどは、過去に他の病院で手術を行ってしまっているためがん組織を確保できなかったり、既に体の状態が相当悪くなっておりがん組織を得るための手術が不可能であったりしたため、がん抗原を得るためのがん組織が得られないケースが多かったのです。がん抗原が得られなくては、樹状細胞ワクチン療法を実施することはできません。
私たちの技術が世間に認知され始めたにもかかわらず、このような状況のため、治療の実施機会がそれに応じて増えなかったのです。
この状況を打開しなければ事業の拡大どころか、存続自体が困難です。私たちは、これまでとは比べものにならない程の、大きな危機にさらされていました。

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