プレスリリース

2015.04.03 テラ株式会社の樹状細胞ワクチン「バクセル®」の臨床研究結果について、「Cancer Science」にて発表~進行膵臓がんに対するWT1ペプチドを用いた「バクセル®」の完遂性と免疫反応の評価~

テラ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:矢﨑 雄一郎、以下「テラ」)は、2011年1月に慶應義塾大学医学部と共同研究契約を締結し、進行膵臓がんを対象として、抗がん剤(塩酸ゲムシタビン)を併用したWT1ペプチド※1を用いた樹状細胞ワクチン「バクセル®」※2の第Ⅰ相臨床研究を進めてまいりました。この度、本臨床研究について、日本癌学会の学会誌である「Cancer Science」に掲載されました※3ので、お知らせいたします。

テラの契約医療機関における「バクセル®」の症例実績は、2014年12月末時点で約8,900例となりましたが、その中で、膵臓がんは一番多く1,700例を超える実績を保有しております。これらの多くがすでに化学療法等の標準治療を受けており、治療の選択肢がない状況で樹状細胞ワクチン「バクセル®」を受ける症例になります。
本臨床研究では、化学療法未実施の膵臓がん患者のファーストライン治療(その疾患に対して最初に行う治療)として、化学療法の塩酸ゲムシタビンに加えて樹状細胞ワクチン「バクセル®」を実施し、その安全性と完遂性の評価をすると共に、副次的に免疫モニタリング等の有用性を確認しています。
その結果、肝転移なしの膵臓がん患者に対して、塩酸ゲムシタビンと樹状細胞ワクチン「バクセル®」の併用はがん抗原WT1に特異的なT細胞を誘導することができることが明らかとなり、ファーストライン治療においてもがん抗原に対する免疫誘導効果を確認することができました。また、塩酸ゲムシタビンはこれまで、他の化学療法(S-1やパクリタキセル等)との併用が試みられてきましたが、いずれにおいても有害事象が報告されていました。今回、樹状細胞ワクチン「バクセル®」との併用では、他の化学療法との併用と比較しても有害事象が少ないことが本臨床研究で示唆されました。
一方で、すでに肝転移がある進行した患者や、炎症マーカー(CRP、IL6、IL8)が高値の患者に対しては、免疫誘導効果が限定的である可能性が示唆されました。これらのデータは「バクセル®」の接種により抗腫瘍免疫反応(WT1特異的T細胞)が得られる患者の免疫状態を評価できる可能性があり、今後の「バクセル®」の適応を考える上で重要な情報となる可能性があります。

テラは、今後も樹状細胞ワクチン「バクセル®」の更なるエビデンス(科学的根拠)の強化を図り、より良い細胞医療の開発・普及に取り組んでまいります。

【※1】WT1ペプチド
WT1とは大阪大学大学院杉山治夫教授等によって、ほぼ全てのがんに発現していることが報告されている世界的に有名ながんの目印です。WT1は2009年にアメリカの学会誌において、がん治療に用いる優先度が最も高いがんの目印として、1位に選出されました。テラは、効果が期待できると証明されたWT1の一部をさらに改変することにより、より強力ながん免疫を誘導することが可能である杉山治夫教授が開発したWT1ペプチドの独占実施権を保有しており、このWT1ペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル®」のエビデンス(科学的根拠)の強化を図っています。

【※2】樹状細胞ワクチン「バクセル®」
本来、血液中に数少ない樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる新しいがん免疫療法です。現在、テラは、がん治療用の再生医療等製品として膵臓がんに対する薬事承認取得を目指しています。

【※3】論文について
Phase I pilot study of Wilms tumor gene 1 peptide-pulsed dendritic cell vaccination combined with gemcitabine in pancreatic cancer.

テラ株式会社の樹状細胞ワクチン「バクセル®」の臨床研究結果について、「Cancer Science」にて発表

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