プレスリリース

2014.08.28 免疫細胞を用いた次世代遺伝子治療に係る特許の専用実施権設定が完了~抗腫瘍効果を高めることができるがん抗原特異的T細胞の作製技術~

テラ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:矢﨑 雄一郎、以下「テラ」)は、免疫細胞を用いた次世代遺伝子治療に係る特許である「改変標的化T細胞の製造方法及び医薬(特許第4111394号)」及び「標的化T細胞の製造方法及び医薬(特許第4035579号)」※1について、この度、専用実施権の設定が完了しましたので、お知らせいたします。

特許「改変標的化T細胞の製造方法及び医薬」は、がん細胞の目印となるがん抗原を認識することのできるT細胞受容体(TCR:T cell receptor、以下「TCR」)※2遺伝子をヘルパーT細胞に導入することにより、がん抗原特異的なヘルパーT細胞(改変標的化T細胞)を作製する技術です。また、特許「標的化T細胞の製造方法及び医薬」は、がん抗原を特異的に認識する抗体※3の遺伝子とT細胞の活性化に必要な補助刺激分子の遺伝子を結合させたキメラ抗原受容体(CAR :Chimeric antigen receptor、以下「CAR」)遺伝子をヘルパーT細胞及び細胞傷害性T細胞(CTL:cytotoxic T lymphocyte、以下「CTL」)※4に導入することにより、がん抗原特異的T細胞(標的化T細胞)を作製する技術です。CAR遺伝子を導入したT細胞は、ヒト白血球抗原(HLA:Human leukocyte antigen)※5の型に関係なく対象となるがん抗原を持つすべての患者に用いることが可能です。
がん細胞は、体内の免疫機構の監視から逃れるための様々な腫瘍免疫回避機構を持つことで知られています。本特許技術は、他の免疫細胞の活性化や機能補助を行う役割を担っているヘルパーT細胞に遺伝子導入を行い、がん抗原特異的ヘルパーT細胞を作製します。このがん抗原特異的ヘルパーT細胞は、様々なサイトカイン※6の産生等ができるようになるため、免疫機構の監視を逃れたがん細胞への攻撃を可能とします。また、CTLの活性化に加えてB細胞※7による抗体産生を促進することで、体内の抗腫瘍効果をより高めることが可能であると考えられます。さらに、CTLにCAR遺伝子を導入することで、がん抗原特異的なCTLが直接がん細胞に作用し、同様に抗腫瘍効果を高めることが可能であると考えられます。
免疫細胞を用いた遺伝子治療は世界でも注目されており、米国においては、すでにTCR遺伝子やCAR遺伝子をCTLに導入して患者に戻す臨床試験が行われています。

テラは今後も、先端的な治療法に関する知的財産を重要な経営資源として、戦略的に獲得、活用することを推進してまいります。

【※1】「改変標的化T細胞の製造方法及び医薬(特許第4111394号)」及び「標的化T細胞の製造方法及び医薬(特許第4035579号)」
テラは、2014年2月に、本特許を保有している株式会社バイオイミュランスと専用実施権設定契約を締結していましたが、2014年6月に、同社保有の特許権確保等のため同社を連結子会社化しております。

【※2】T細胞受容体(TCR:T cell receptor)
T細胞が抗原を認識する際の受容体分子です。ヘルパーT細胞の表面に存在するTCRは、HLAにより提示された抗原を認識し活性化します。

【※3】抗体
抗原の侵入を受けた生体がその刺激で作り出すタンパク質の総称です。その抗原だけに結合することで除去しようとする機能により、生体を防御します。

【※4】細胞傷害性T細胞(CTL:cytotoxic T lymphocyte)
樹状細胞等の抗原提示細胞から提示された異物(ウイルス感染細胞やがん細胞)を認識し、活性化することで異物を攻撃することのできる細胞です。抗原提示細胞により提示される抗原ペプチドを認識するとともに、ヘルパーT細胞等からの刺激により活性化され、抗原を提示している細胞へ特異的な攻撃を行います。

【※5】ヒト白血球抗原(HLA:Human leukocyte antigen)
自己と非自己を認識する役割を担う抗原です。がんなどの異物に対して選択的に結合し、T細胞へ抗原提示を行います。

【※6】サイトカイン
細胞から放出されるタンパク質の一種で、他の細胞に情報を伝える働きを担います。

【※7】B細胞
リンパ球の一種で、抗原の侵入に応答して増殖し、抗体を生産する細胞へと分化します。

免疫細胞を用いた次世代遺伝子治療に係る特許の専用実施権設定が完了

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