プレスリリース

2014.06.16 次世代がん抗原サーバイビンペプチドに係る特許が日本及びオーストラリアで成立

テラ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:矢﨑 雄一郎、以下「テラ」)は、2011年6月に、新規がん抗原であるサーバイビンペプチドについて、株式会社バイオイミュランス(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:富樫 裕二、以下「バイオイミュランス」)との間で9地域を対象とする樹状細胞ワクチン「バクセル®」※1に用いる専用実施権設定契約を締結しておりますが、この度、バイオイミュランスにより出願されたサーバイビンペプチドに係る特許が日本とオーストラリアで成立し、日本において専用実施権の設定が完了しましたので、お知らせいたします。

この度、日本及びオーストラリアにおいて特許が成立した本サーバイビンペプチドは、がん抗原特異的ヘルパーT細胞※2を活性化することができる部位を持つ新規に開発されたペプチド(MHCクラスII拘束性ペプチド)です。
本サーバイビンペプチドは、キラーT細胞(細胞傷害性T細胞)※3のみを活性化するこれまでのがん抗原ペプチド(MHCクラスI拘束性ペプチド)とは異なり、ヘルパーT細胞を効率よく活性化することで、がん特異的キラーT細胞を増強することができます。また、現在開発中のMHCクラスI+MHCクラスII拘束性のハイブリッドロングペプチド※4も本特許を使用したものであり、がんに対する免疫をこれまで以上に活性化することができる次世代のがん抗原ペプチドとして、メラノーマ、大腸がん、乳がん、肺がん等多くのがん種を対象とした樹状細胞ワクチン「バクセル®」への臨床応用が期待されています。
なお、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託研究(「基礎研究から臨床研究への橋渡し促進技術開発/橋渡し促進技術開発」平成20年度採択プロジェクト)により、本ハイブリッドロングペプチドに関する第I相探索的自主臨床研究が北海道大学等において実施されました。

バイオイミュランスは、現在、本サーバイビンペプチドに関して日本及びオーストラリアを含む9地域における特許を出願しており、テラは同社との契約により、各地域において本実施権を行使することが可能となります。テラは、今後臨床研究を実施し、早期の実用化を目指してまいります。
 
テラは今後も、新規がん抗原に関する研究開発及び知的財産の獲得を推進し、多くのがん患者のみなさまに新たな治療の選択肢を提供できるよう努めてまいります。

【※1】樹状細胞ワクチン「バクセル®」
本来、血液中に数少ない樹状細胞(体内に侵入した異物を攻撃する役割を持つリンパ球に対して、攻撃指令を与える司令塔のような細胞)を体外で大量に培養し、患者のがん組織や人工的に作製したがんの目印である物質(がん抗原)の特徴を認識させて体内に戻すことで、樹状細胞からリンパ球にがんの特徴を伝達し、そのリンパ球にがん細胞のみを狙って攻撃させる新しいがん免疫療法です。現在、樹状細胞ワクチン「バクセル®」は、がん治療用の再生医療等製品として薬事承認取得を目指しています。

【※2】ヘルパーT細胞
ヘルパーT細胞は、主にTh1細胞及びTh2細胞に分類されます。インターフェロンγやインターロイキン等の様々なサイトカインを産生し、他の免疫細胞の活性化や機能補助を行います。Th1細胞は抗原提示細胞やキラーT細胞に作用して、細胞性免疫を活性化させます。Th2細胞は抗原提示細胞やB細胞に作用して、抗体産生を促進します。また、最近ではヘルパーT細胞にも細胞傷害活性があることが報告されています。

【※3】キラーT細胞(細胞傷害性T細胞)
キラーT細胞は、樹状細胞等の抗原提示細胞から提示された異物(ウイルス感染細胞やがん細胞)を認識し、活性化することで異物を攻撃することのできる細胞です。抗原提示細胞により提示される抗原ペプチドを認識するとともに、Th1細胞等からの刺激により活性化され、抗原を提示している細胞へ特異的な攻撃を行います。

【※4】MHCクラスI+MHCクラスII拘束性のハイブリッドロングペプチド
MHCとは自己と非自己の細胞を区別する目印であり、主にクラスⅠとクラスⅡに分けられます。クラスⅠはキラーT細胞、クラスⅡはヘルパーT細胞の分化、増殖、活性化に関与します。MHCクラスⅠ+ MHCクラスⅡ拘束性ペプチドは、ヘルパーT細胞とキラーT細胞を活性化できるそれぞれのペプチドの配列を含んでいるハイブリッドロングペプチドで、現在開発中のサーバイビンペプチドは、MHCクラスⅠ+ MHCクラスⅡ拘束性ペプチドを人工的に結合させたアミノ酸40個からなる人工がんペプチドです。すでに本サーバイビンペプチドをがん患者に直接投与して安全性、免疫調節効果を調べる第I相探索的自主臨床研究(ペプチドワクチン療法)が終了しています。本臨床研究では、適格基準を満たした8例に対し、本サーバイビンペプチドによるワクチン治療を実施し、免疫応答の評価可能対象6例のうち全例において、がん特異的なヘルパーT細胞やキラーT細胞の増加、またがん抗原特異的抗体の産生誘導が観察されました。なお、臨床効果判定可能な5例のがん患者のうち1例の患者でCR(腫瘍が完全に消失した状態)、2例の患者でSD(腫瘍の大きさが変化しない状態)という結果が観察されました。

サーバイビンペプチドに係る特許が日本及びオーストラリアで成立

テラのFacebookを見る

テラのFacebookを見る

ページトップへ