プレスリリース

2013.08.06 九州大学と共同開発を行ったNK細胞の増幅培養技術、「Human Gene Therapy Methods」にて発表~極めて高いがん細胞殺傷能力を有する「ZNK®細胞」の培養技術を確立~

テラ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:矢﨑 雄一郎、以下「テラ」)は、国立大学法人九州大学(以下「九州大学」)と、極めて高いがん細胞殺傷能力を有するナチュラルキラー細胞(以下「NK細胞」)「ZNK®※1細胞」に関する共同開発を行い、2012年2月に特許を出願しておりますが、その培養技術に関する英文原著論文が、欧州遺伝子細胞治療学会、国際遺伝子細胞治療学会、英国遺伝子細胞治療学会他計10の国際学会の公式機関誌である「Human Gene Therapy Methods※2」電子版 (Human Gene Therapy Methods. 25 July 2013.)に掲載されました。 NK細胞は、ウイルス感染細胞やがん細胞に対し殺傷能力(細胞傷害活性)を持つ細胞で、病気を未然に防ぐ働きをしていると考えられています。進行がん患者では、NK細胞の数と活性が低下していることが知られているため、NK細胞を体外で増幅・活性化することががんの免疫細胞療法に効果的であると期待されてきました。 一方で、従来、欧米を中心に実施されてきた臨床研究においては、NK細胞の体外での増幅・活性化が不十分であり高い抗腫瘍効果が得られておらず、世界中の研究者がこの課題の克服に取り組んでいます。 今回の論文は、2012年2月にテラが九州大学と共同で特許出願を行った新規技術について報告しています。本技術は、いくつかの重要なパラメータを詳細に最適化することにより、ヒトの末梢血由来単核細胞から細胞傷害活性を最大限に高めたNK細胞を、高純度で数百倍に増幅することを可能としています。 本技術で培養されたZNK®細胞のほぼ100%がリンパ球系細胞の活性化指標となるCD69を発現し、かつ細胞殺傷分子であるパーフォリン及びグランザイムB※3の細胞内含有量が培養前と比較して数倍〜10倍に増加します。さらに、NK細胞活性の標準的指標として使用されるがん細胞(K562細胞)に対し、ZNK®細胞:がん細胞=1:1かつ2時間という短時間で、ほぼ100%のがん細胞を殺傷することができるという結果が得られました。この結果は、これまで報告された培養法と比較して、極めて高い細胞傷害活性を持つNK細胞を数百倍に増幅することができる技術が確立されたことを示しており、本技術を用いることで、より効果的ながんの治療法(ZNK®細胞免疫療法※4)の実用化が期待されます。 テラは今後も、ZNK®細胞を含む有用な細胞についての研究開発を行い、多くのがん患者のみなさまに新たな治療の選択肢を提供できるよう努めてまいります。 【※1】ZNK®(Zenithal Natural Killer) ZNK®はテラと九州大学が共同で特許出願をした新規技術で、細胞傷害活性を最大限に高めたNK細胞を、簡便な方法により高純度で数百倍に増幅することを可能としています。なお、ZNKはテラ株式会社の登録商標です。 【※2】Human Gene Therapy Methods 遺伝子細胞治療領域において、特に重要な技術についてそのポイントを広く紹介することを目的に2012年のHuman Gene Therapyより分冊化された国際学術雑誌です。Human Gene Therapy、Human Gene Therapy Clinical Development、及びHuman Gene Therapy Methodsは、欧州遺伝子細胞治療学会、国際遺伝子細胞治療学会の他、英国・ドイツ・スペイン・フランス・フィンランド・オランダ・イスラエル・アイルランドの各遺伝子細胞治療学会の公式機関誌です。 【※3】パーフォリン及びグランザイムB NK細胞にはパーフォリンとグランザイムBの2種類の細胞殺傷分子が含まれています。パーフォリンで細胞膜に穴を開け、グランザイムBを細胞の中に打ち込むことで細胞死を誘導することで、がん細胞を殺傷します。 【※4】ZNK®細胞免疫療法 患者より血液を採取し、新規技術を用いて体外で培養、活性化したZNK細胞を点滴静脈投与で体内に戻すことで、がんを攻撃させる治療法です。 なお、テラは、2013年3月にZNK®細胞免疫療法の第Ⅰ相臨床試験を開始するため、長崎大学病院と共同研究契約を締結しています。 PDFダウンロード

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