特別対談

ジャーナリスト 鳥越俊太郎氏

2015.02.27

4度の手術と抗がん剤治療、
がん闘病を支えた漢方と鳥越流免疫力アップ法

~免疫力とがん治療の現在を鳥越俊太郎氏と矢﨑雄一郎が語る

ジャーナリスト 鳥越俊太郎氏との対談

はじめに

65歳で大腸がんが発覚。肺や肝臓への転移と4度の手術を乗り越え、現在はがん発病前より精力的に仕事を続ける「ニュースの職人」鳥越俊太郎さん。生まれついての前向き思考だという鳥越さんは、70歳からジム通いを始めるなど、病を得てなお新しいことにチャレンジし続けています。ポジティブな姿勢を貫きながら、がん患者として、ジャーナリストとして2つの視点でがんと向き合う鳥越さんに、免疫力に対する独自の考えや現在のがん医療についてお聞きしました。

鳥越 俊太郎さん プロフィール

1940年生まれ、福岡県出身。京都大学文学部卒業後、毎日新聞社に入社。大阪社会部、東京社会部、テヘラン特派員を経て『サンデー毎日』編集長に就任。毎日新聞社を退社後は「ザ・スクープ」キャスター、「スーパーモーニング」コメンテーターなどテレビメディアにて活躍し、関西大学社会各部教授も務める。2005年に大腸がんが発覚。肺や肝臓へも転移し4度の手術を受けるも、がん発病以前より精力的に仕事を続け、現在はがんに関する講演活動も行っている。著書に『ニュースの職人』『人間力の磨き方』『がん患者』などがある。

ストレスだと思ったことはないですね。ストレスって何?という感じ(笑)
どんなに悪いことがあっても良いほうに転換してしまいます。

鳥越:僕はもともと免疫療法にはずっと注目していまして、矢﨑さんの執筆された「免疫力をあなどるな」(サンマーク出版)は免疫力の勉強になりました。とてもわかりやすかったです。

矢崎:ありがとうございます。私も鳥越さんの本(「がん患者」)を拝見しまして、免疫的な切り口としては、やはりスーパーポジティブシンキングがこうしてがん闘病に成功されている理由のひとつだなと感じました。これは非常に重要だと思うんです。普通、がんになってしまうとそこからネガティブな思考パターンに陥ってしまいますよね。

鳥越:そうですね。僕は基本的に前向きな性格で、「ポジティブシンキングでいよう!」とか努めて考えなくても、自然とそうなってるんです。だから、僕のがん闘病経験がすべての方に参考になるかは、ちょっと心配でもあるんですけど。

矢崎:鳥越さんにはがん患者という立場、ジャーナリストの立場という二つの視点があって、そこで精神的にバランスがとれているのかなと思いました。

鳥越:けっこう楽しんでやっていましたからね。たとえばがんの手術にしても、不安より「手術ってどんなんだろう?」っていう好奇心のほうが勝ってしまって。手術の前日は遠足の前の晩のようなワクワクした感じでした。さあ明日はいよいよ手術だ!というような。それを言うと、バカじゃないのかと言われるんですけど(笑)

矢崎:普通の方だとストレスに感じるところですよね。ストレスからご自身を解放してあげるということがお上手なんだろうと思います。

鳥越:ストレスだと思ったことはないですね。ストレスって何?という感じ(笑)大変なことがあっても、どこかで大変じゃない方向に心を変えられる、そういう力を持っている気がします。どんなに悪いことがあっても良いほうに転換してしまいます。誤報もしましたけど、それも逆に売り物にするという……(笑)転んでもタダでは起きないと言われました。

矢崎:これぞスーパーポジティブシンキングですね(笑)実はこれは免疫力にも大きく関係していて、たとえばストレスが免疫力に影響を与えることは科学的にも解明されてきています。ストレスがかかると体内でサイトカインという物質が出るのですが、これが免疫の働きを抑えているということが論文で発表されたりしているんですよ。

鳥越:そうなんですか。免疫というと、20歳くらいまでの若い時分にばい菌やウィルスがたくさんいる環境で育ったほうが、逆に体内で抗体を作れるとか言いますよね。

矢崎:そうですね。胸腺という器官があるのですが、これが体内に入ってくる異物を攻撃できるようにT細胞という免疫細胞を教育するんです。胸腺のはたらきは20歳くらいまでがピークと言われていますので、それまでにたくさんのばい菌やウィルスに接していたほうが免疫を獲得しやすいと言えますね。

鳥越:今の若い人、子どもたちは非常に衛生状態の良い環境で育っているから、大人になってウィルスに出会っても戦い方を知らないとか、そういうことになってしまうんでしょうか。

矢崎:そういうこともありえますね。鳥越さんは福岡のご出身だそうですが、私も長野の田舎の出身なんです。ですから子どもの頃は外でかけっこや泥遊びなどそういうことばかりしていていました。今思うと、そういう環境にも意味があったんじゃないかと思うんですね。

鳥越:今はみんな水道で綺麗な水を飲んでいますが、僕らの時代は井戸水を飲んでいましたからね。畑のトマトをガッと取ってそのまま食べたり、川の水もしょっちゅう飲んでました。町の中にある普通の川です。そのちょっと上流に行って、川の水でごはんを炊いて、それで病気になるということもなかった。食事の時に、土間にうっかり芋を落としたりしても、拾って泥を払って食べてましたからね。今はそれを家でやると、女房からすごく怒られますけど(笑)

矢崎:ああ……(笑)それはちょっと、過剰に衛生的とでも言うんでしょうか。今は衛生仮説というものがありまして、衛生的にしすぎるとアレルギーになりやすいとか、そういうことが言われてきていますね。

鳥越:アレルギーね。僕が40歳くらいの頃からですかね、アトピーとか花粉症だとか騒がれはじめて、なにそれ?と思いました。ある一定の年代以降に生まれて育った人たちに特有の現象なんでしょうか。われわれのように戦前生まれの人間がアトピーとか花粉症にかかる例はあんまりないような気がします。

矢崎:少ないですね。

鳥越:今の若い人、子どもたちはばい菌とかウィルスに対する免疫をあまり得られない環境にあるということですかね。だから風邪もすぐ流行るし、インフルエンザも、今はワクチンを打つとかで大騒ぎしますよね。僕は今まで一度もインフルエンザになったこともなければ、風邪も30年くらいひいてません。あんなものは自分の力で治すんだよとよく言ってるんだけど、うちの孫とか娘は薬だ注射だって、毎回大変ですよ。

矢崎:そういう意味では、鳥越さんは身体的に高い免疫力を獲得できる、衛生的におおらかな環境で育ってこられて、その免疫力を現在も維持されているということですね。育った環境ですとか、子どもの頃から培われた免疫力が、精神的にもスーパーポジティブでいられる性格を形作っているのかもしれないですね。

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