特別対談

ジェイアイエヌ代表取締役社長 田中仁氏

2014.09.29

テラ社長、矢崎雄一郎が訊く
ヒットの秘訣はフルスイング!
サイエンス&エビデンスによるイノベーションの起こし方

ジェイアイエヌ代表取締役社長 田中仁氏との対談

はじめに

テラ株式会社社長の矢崎雄一郎と、メガネ専門店「JINS」を運営する株式会社ジェイアイエヌ代表取締役社長、田中仁氏との対談。ビジネス論や話題のハイテクメガネ「JINS MEME(ミーム)」、さらに医療へ応用まで幅広くお話を伺いました。まずは、2014年5月に出版されたばかりの田中社長の著書についての話から。

Air frameは真剣勝負! 負けたら社長を辞めるつもりだった

矢崎:まず、田中社長の著書『振り切る勇気 メガネを変えるJINS の挑戦』について聞かせていただければと思います。私もしっかり読ませていただきました。

田中:付箋がいっぱい貼ってありますし、マーカーでもチェックしている。これはすごい!

矢崎:別に、今回の対談のためにやったわけじゃありませんからね。

田中:あはは。

矢崎:この本は本当に自分の勉強になりました。

田中:裏話をいうと、元々この本はJINSのブランドイメージをアップさせる本としてスタートした企画だったんです。

矢崎:そうだったんですか。

田中:でも編集の方が敏腕で、みるみる話を引き出されてしまい……。終わってみればまるで自分の半生の暴露本のような内容になっていました(笑)。

矢崎:でも、経営者にしたらこの本はきっとバイブルみたいなものですよ。

田中:なんだか恐縮です。

矢崎:私は、この本を読んで「振り切ること、フルスイングの重要性」を改めて感じました。言うのは簡単なんですが、実際にリスクをとってやり切るのはすごく難しい。 田中社長は、次の成長において一桁違う成長を自らに課している。そこが非常に重要で、責任をもってそのリスクに立ち向かう姿がとても勉強になりました。

田中:振り返ってみると、2009年に発売した「Air frame」はまさに“真剣勝負”でした。武士の時代であれば、真剣勝負は負けたら切られて死んでしまいます。

矢崎:確かにそうですね。

田中:この時の私も「これで負けたら後がない」という状況でした。どんな度数でもどんな薄さのレンズでも追加料金0円の「NEW オールインワンプライス」を導入し、 当時3000本売れればヒットと言われた時代にAir frameを7万本発注したり、1ヵ月で5億円の広告費を使ったりしましたから。だからこの勝負を乗り切ったことで、その後の自分に自信がついたという感じでしたね。

矢崎:何かをやり切るにはすごく大きな勇気がいります。御社とって一番大きな決断をされたのが、まさにAir frame のときだったと。

田中:その通りです。著書のなかでは織田信長の「桶狭間の戦い」に例えていますが、本当にそういう時期でした。

矢崎:この時はどうやって決断したんですか?失敗したら業績的にもかなり凹みますよね。

田中:もちろん、万が一失敗しても「倒産することはない」という目算はありました。ただ、自信を持って仕掛けた勝負に負けたのなら、それは自分に「商才がない」ということ。 当時はM&Aなどの話もあったので、そうなったら他の人に社長を譲ってもいいというぐらいの覚悟はありました。それはある意味、自分の中で自分自身の能力を試すチャンスだったのかもしれません。

矢崎:なるほど。やはり自らチャンスをつかむ環境を作らなければいけないんですね。

田中:でも、自分からはなかなか作れないものですよ。私もいまだからこそ偉そうに言っていますが、できれば当時はもっと楽をしたかった。

矢崎:そうなんですね。ただ、その業界の常識を持たない人こそが、織田信長のようなイノベーションを起こすのかもしれませんね。

田中:どの業界も意外とそうだと思いますよ。

矢崎:業界のイノベーションといえばユニクロが有名です。著書でも株式会社ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長の柳井正さんにお会いした話がありましたね。改めて印象など聞かせていただけますか?

田中:これはですね……、言葉では言い表せられないくらい強烈でした。

矢崎:では、柳井さんのどの言葉に一番感銘を受けましたか?

田中:色々あったのですが、一番は「志なき企業は継続的に成長できない」と言われたことでしょう。面と向かって「成長できない!」と断言されたのはある意味ショックでした。

矢崎:なるほど。

田中:求める気持ちが強かった当時の私には、柳井さんの言葉のすべてがすっと入ってきました。面白いのは、かつて読んだことがあった柳井さんの著書『一勝九敗』をお会いした後に改めて読み直してみたら、同じ本なのにまったく印象が違うんです。まるで「自分のために書かれた本なんじゃないか!?」と思うほどでしたね。

矢崎:そうでしたか。その時々の状況によって受け止め方や見え方が全然変わってきますよね。今日の田中社長からの話を受けて、私ももう一度読み直してみたいと思いました。

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