リリース

米国デンドレオン社の前立腺がんワクチンと当社の樹状細胞ワクチン療法について

すでに一部で報道されておりますように、FDA(米国食品医薬局)は、2010年4月29日(米国時間)、米国デンドレオン社(Dendreon Corporation)が開発した前立腺がん治療用ワクチン「Provenge(プロベンジ)」(一般名:sipuleucel-T)を承認いたしました。これは、FDAが、自己の細胞を用いた免疫療法を承認した初めての事例となります。

「Provenge」は、患者の血液から取り出された末梢血単核球(樹状細胞の前駆細胞を含む細胞群です。)を処理することによって製造されるワクチンです。このワクチンは抗原提示細胞(APC)、T細胞、B細胞、NK細胞等を含みますが、「Provenge」を製造する際に、前立腺がん抗原(PAP)とサイトカイン(GM-CSF。抗原提示細胞に結合し活性化するタンパク質です。)の融合タンパク質が使用されるため、抗原提示細胞(APC)が「Provenge」の主たる成分となります。この抗原提示細胞(APC)が、前立腺がん抗原(PAP)を持つ前立腺がん細胞を攻撃できるT細胞等の免疫細胞を患者の体内で誘導し、前立腺がんを攻撃します。

このような「Provenge」と比較して、当社の樹状細胞ワクチン療法は、まず、(1)培養過程においては、患者の血液から末梢血単核球を取り出す点は同様ですが、これを純化し、抗原提示細胞の中でももっとも抗原提示能の高いといわれている樹状細胞へとさらに誘導する点、そして、米国癌研究会議(AACR)の学会誌であるClinical Cancer Research誌において、75種類のがん抗原の中でがんワクチンに用いるための抗原としての優先順位第1位に選出されたがん抗原である、WT1由来のペプチドを樹状細胞に取り込ませる点が、「Provenge」と異なります。また、(2)樹状細胞の純度についても、デンドレオン社の樹状細胞の純度が、11.2%程度と報告されている※1のに対して、当社の樹状細胞の純度は、80%以上であること※2が確認されております。さらに、(3)技術の汎用性という観点から見ると、前立腺がん抗原(PAP)は、前立腺がんのみに特徴的ながん抗原である一方、WT1ペプチドは、ほとんどすべてのがん腫に発現するため、当社の樹状細胞ワクチン療法は、「Provenge」と異なり、前立腺がんに限られず多くのがんに利用できることに相違があります。

当社は、当社の樹状細胞ワクチン療法が、上記のような点において「Provenge」と異なることは、当社の樹状細胞ワクチン療法の技術的優位性を示すものであると理解しており、今回のFDAによる「Provenge」の承認が、当社の樹状細胞ワクチン療法の日本国内における更なる普及の追い風となることを期待しております。

※1 J Clin Oncol 18:3894, 2000
※2 患者の体の状態によって異なります
「Provenge」は、米国デンドレオン社の登録商標です。

Indexに戻る